RoHS指令の改正に伴い、2019年7月から、絶縁被覆材や電気絶縁テープ、包装用フィルムなどに使用されている4種類のフタル酸エステルが規制対象物質に加わります。
本装置は、フタル酸エステル類の迅速なスクリーニング検査を生産現場で簡単に行うための専用機です。操作性の良さに加え、約8時間で50個の自動測定という高スループットな検査を実現しています。
迅速な検査:1サンプルの測定時間は最短10分以下!
気化した化合物をイオン化し、直接質量分析できるので、高速に測定できます。(分離カラム不要)
約8時間で50個の連続自動測定を実現
正確でスムーズなオートサンプラ(標準搭載)により、測定をスタートすると、最大50個の連続自動測定ができます。測定中に、次の測定サンプルの準備やその他の業務を行えるため、業務効率が上がり、測定者の負荷が軽減されます。
サンプリングから測定まで、迷いのない簡単操作!
適量にカットしたサンプルをサンプルパンに入れ、サンプルトレイへセットします。あとは簡単なソフトウェアの操作で、オートサンプラによる自動測定が開始されます。ソフトウェア画面上にサンプルトレイイメージが表示され、連続測定の進捗や判定結果(PASS/FAIL)を一目で確認できます。
低ランニングコスト
キャリアガスは窒素ガスを使用します。窒素ガス発生装置(国内オプション)の使用により、必要なユーティリティは電源のみとなります。高価なヘリウムガスや液化窒素等の供給や管理の手間を省き、ランニングコストも抑えます。
関連データ
スキャンモードによる測定
サンプルのマススペクトルを測定し、得られたスペクトルピークのm/z値から、定性分析をします。
新機能による精度向上
「代替可塑剤」補正機能
規制対象物質の代替可塑剤に含まれるテレフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DOTP)は、規制対象物質と類似した構造を持っています。これら類似構造をもつ物質について、イオン強度の相関をベースとした補正を行うことで識別精度を向上させ、正確な測定を実現します。
SIM・SCAN同時測定による「ポリマー」補正機能
SIM・SCAN同時測定を実現することにより、マススペクトルの周期性を踏まえた測定を可能にし、滑剤等のポリマーが混在する試料に対してのスクリーニング精度を向上させます。